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Webサービスの多言語化について書きたいとは思っています。

フリーランスエンジニアになってからの2か月を振り返る

会社を辞めてフリーランスになってから約2か月が経ちました。

キリの良いタイミングというわけではないのですが、なんとなく今の生活にも慣れてきたような気がしますので一度ここまでを振り返ってみたいと思います。

これからフリーランスをやってみたいけどなんとなくイメージがつかないなー、という方(つまり3か月前の僕)へ、何かのお役にたてれば。

フリーランスになるまで

はじめに、僕がフリーランスになろうと思ってから実際になるまでを振り返ってみようと思います。

がんばっていろいろアウトプットしてみた

僕がフリーランスになろうと考え始めたのは去年の夏くらいでした。言い方を変えると、フリーランスになると決めてから1年近くを準備期間として使っていた、ということになります。

その1年間は、とにかく外に向けて「これをやったよ!」が言えるようにアウトプットすることを意識していました。具体的には、Qiitaに記事を書いてみたり、Twitterしてみたり、自分で書いたちょっとしたソースコードGithubに上げてみたり、といった具合です。

それをすればフリーランスでもやっていける、というよりは、それができてやっとフリーランスのスタート地点に立てる、という感覚でした。

フリーランスになると、多くの場合仕事を得るために自分のことを全く知らない人に対して自分に価値を見出してもらう必要が出てきます。 つまり、自分が前の会社でどれだけ頑張ったとか、どんな製品を作ったとか、どんな人脈があったとか、そんなことは全く関係のない人に対し、「自分のスキルにはこれだけの価値があります」と言えなければなりません。そんな時に最低限の説明材料として必要になるのが、所属する会社に関係なく価値のある情報を、インターネットを通して誰でも見ることができる場所に公開されていることだと考えました。

いろいろやってみた結果、たとえばQiitaでは37記事を投稿して1294コントリビューションを得ることができ、フォロワーも49人まで増やすことができました。(2017/7/25現在) 周りを見渡すと決して多い数字ではありませんが、1年前に全くのゼロからスタートしたことを振り返ると、自分としては珍しくコツコツと積み重ねられたものだなと思います。(もともと飽きっぽい性格です)

詳しくは後述しますが、結果としてこれをすることで得ることができた知識や実績、自信などが役に立ち(かどうかはわかりませんが)、フリーランスになった後もすんなりと当面の仕事を確保することができました。

フリーランスについて調べてみた

また同時に、この期間にフリーランスの情報をネットで調べてみたりしました。 が、こちらは今振り返ってみるとあまり役に立たなかった印象です。

そもそもフリーランスエンジニアといってもスキルの低い人から高い人、仲介サイト経由で仕事を請ける人から自分で仕事を探したり創ったりする人などとても多様なワケですし、それぞれにメリットデメリット、楽しいことやつらいことがあるワケで、「フリーランスはこうだ!」と言える人はどこにもいないのです。

結局、自分はどう働きたいのか、そのために何を準備して、どんなスキルを身に着けて、誰にどうアピールしていけばよいのか、といったことを自分で考えて実行するのが大切で、同時にその自由さがフリーランスの一番楽しいところの1つなのだと今は考えています。

フリーランスになってから

フリーランスになって最初の仕事は、とある研修ベンダーの外部講師として新人研修のサポートをする、というものでした。

これは完全に前職のツテで決まった仕事で、その研修ベンダーの方々も僕のことをそれなりに知ってくださっていたため、とてもすんなりと話が決まった印象です。コネって大事だなー、と思った瞬間でした。

あまり詳しくは書けないのですが、この研修では技術以外にも企画の立て方を同じくらい叩き込まれる内容で、後ろで聞いている僕の方が勉強になるくらいでした。新人たちもとても前のめりでいろんなことにチャレンジしていて、とても楽しい仕事だったことを覚えています。

これともう一か所の研修の講師補佐を合わせて1か月ほどしていました。これが6月です。

7月から、つまり現在はとあるメーカー会社でAndroidアプリの開発をしています。 この仕事はとある仲介会社を経由して見つけることができた仕事で、今までのWebサービス開発とはまた違った経験のできる仕事です。

海外にも支社があるおかげでそこから来ている外国人も多く、雑談などを通してWebサービスの多言語化のヒントが多く得られる職場です。

3か月ごとの自動更新で、週5で会社に常駐のためあまり生活スタイルとしては会社勤めと変わらない働き方ではあるのですが、とりあえず安定した収入源は確保できた形です。

今の仕事が決まった経緯

前提として、僕は自分で仕事を探したり創ったりしたい派です。ただ、フリーランスになっていきなりそれで生活に十分なお金を稼げるほど簡単なことだとも思っていません。僕は家のローンもあれば子供2人の育児中でもあるので、まずは「食いっぱぐれない」ことがフリーランスとしての最初の目標でした。

そのため、ひとまず食いっぱぐれないために、前職のツテで知ることができた仲介会社へ相談して仕事を探してもらうことにしました。

驚いたのは、「7月以降の仕事のご提案をお願いします」とメールしたその直後から次々と仕事の提案が来たことでした。合計10件くらい提案をいただき、概要から判断して面談の日程調整を5件くらいお願いし、結局最初に調整のついた2件の面談をする、という流れだったのを覚えています。

1件は前職と同じような環境のWebサービスの提供会社で、もう1件は今のメーカー企業でした。

面談の結果はどちらもその場で「7月から開発に参加してください」で、当然両方の現場に参加することはできないため、今後の多言語化の仕事のプラスになりそう(海外に支社があって、同じチームに外国人がいることは面談の際に伝えられていた)という理由と、なんとなく前職と違う環境で違う経験も積んでみたいという漠然とした理由で今のメーカーの方を請けることにしてみました。

面談ではやはり先述したQiitaなどのアウトプットの部分から話が広がったり興味関心を理解していただけた場面が多く、そのあたりもすんなりと話が決まった一因になったのかな、と思っています。

仕事が決まる過程を振り返ってみると、仲介会社にあれこれ相談すればフリーランスでも食いっぱぐれることはないのだな、という感想です。 また、案件の紹介される勢いから見ても、エンジニアという職業はどこも人が足りていない様子がうかがえ、そこに対して適切にアピールできれば「仕事がない期間」ができてしまうなんて想像できない、というのが正直なところです。(当然、「適切に」アピールするためには日ごろのスキルアップとアウトプットが必要ですが) 報酬も、経費分を差し引いても前職の稼ぎより少し余裕が出るかな、という額なのでこちらも問題ナシでした。

面談をしていて印象的だったのは、今の案件の面談の中で、部長の方に「開発スピードに自信はありますか?」と聞かれ、とっさに「あります!」と答えると、「自信があるのはとても大事」とおっしゃっていたことでした。 その理由については特に何も伝えられませんでしたが、結局スキルなんて実際に一緒に仕事してみないとわからないものだから、自信の有無が今までどれだけ頑張ってきて、どれだけ役に立ちそうかの良い判断材料になる、ということなのかなと勝手に想像しています。

結果的に、1年間アウトプットを続けて得られた自信はここでも役に立てることができました。

これから

とりあえずフリーランスとして仕事をスタートできた段階ではありますが、今後はもっと自由な働き方で、もっと高い報酬で働けるようになることが当面の目標です。

といのも、フリーランスになった目的のひとつは、家事、育児や自分の趣味などの時間をもっと柔軟にとれるようになりたい、というものでした。特に育児については、子供がいつ病気にかかって仕事している場合でなくなるかもしれませんし、世間一般と休みをずらすことでより外出を楽しむことができたりします。これが、今まで通りの平日週5で会社に通うスタイルでは状況は変わりません。

さらに、子育て&週5の通勤だとスキルアップの時間が圧倒的に不足します。平日の日中はオフィスで仕事をしなければならず、休日は1日子供の相手をしなければならず、結局集中できるのは通勤電車の中と夜子供を寝かしつけたあとの合計1日3時間程度だけだったりします。

そのあたりを改善するためにも、1か月あたりの稼ぎをもっと多くして、仕事をしない期間があっても大丈夫な状況を作り出し、自分の都合に合わせて仕事とそれ以外の時間を調節できるようになりたいところです。

そして何より、Webサービスの多言語化という内容で自分で仕事を見つけ、自分で稼げるようになることを引き続き目指したいと考えています。今はとにかく仕事の内容を選ばずに稼いでいますが、やはり名刺にも書いた通り「Webサービスの多言語化」を自分の一番の価値として売り出せる仕事が僕の実現したいところです。

というわけで、Webサービスの多言語化はぜひ chooyan.engineer@gmail.com までご連絡ください!

その他

各種事務手続きについて

フリーランスになるための開業手続等ですが、思ったより簡単でした。 だいたいの場合、ネット上で軽く前提知識を得た上で窓口へ相談すれば効率よく必要な手続きについて教えてくれますし、その場で実際の書類を一緒に書いて提出までしてしまえば手戻りもなく手続きを済ませることができます。ついでに必要な手続きが他にあればその場で教えてくれたりもします。

小難しい手続きはネットで済まそうとするのではなく、最後は専門家を直接頼るスタンスで進めれば特に苦労することはないのだと知りました。

金銭感覚について

金銭感覚もだいぶ変わりました。 フリーランスは、正社員以上に収入が増減しやすいです。つまり、投資した分のリターンも見込みやすい、と考えることができます。

最近は、たとえば通勤の際の30分間の電車移動に片道400円の特急を使うようになったり、空き時間の作業場所をカフェではなくコワーキングスペースにしてみたり、といったことを意識してやってみています。多少お金がかかっても集中して何かをできる環境を確保することで、そこでの成果によって今後もっと良い条件の仕事を見つけられたり、副収入を確保できるのではないかと思っています。

また、同じような理由で自分や家族の健康やストレス解消に必要だと思ったものは、値段は見て見ぬふりをして買ってみるようにしています。フリーランスにとって病気(家族も含め)で仕事する時間が減ることはそのまま収入減につながりますので、多少の節約よりも健康への配慮を優先するようになりました。

業務内容について

正社員でなくなったことで、自分の仕事は「開発」のみになり、上司との面談や研修などの「組織のためのタスク」がなくなったことも大きな変化でした。

オフィスの椅子に座っている間は打ち合わせもなく、横から入るタスクもなく、ひたすら今自分に求められているアプリの完成に集中できるため、1日に使える時間が前職の5倍くらいに増えた感覚です。それだけ、横槍が全く入らないという状態は開発がはかどるものだと知ることができました。

もともと僕は会社から面倒を見られることにそれほど必要性を感じないタイプで、さらにはちょっとしたことで集中力が切れやすい人間だったため、この変化はとてもプラスでした。

まとめ

総じて、フリーランスに転向したことはとても自分にとってプラスになったと感じています。毎月のように新しい人たちと新しい場所で新しい仕事をすることができ、とはいえ収入が不安定になることもなく、今のところ仕事を楽しむことができています。 よくネット上で「フリーランスはやめた方が良い」という内容を目にすることは多いのですが、今のところそんな実感はなく、むしろこの働き方をもっといろんな人に体験してほしいと思ったりしているくらいです。(あまり無責任に勧めたりはできませんが)

とは言え僕もフリーランスになってまだまだ2か月そこらの駆け出しですので、1年くらい経った時にどうなっているのかは全く予想できていません。そのあたりはまた来年このブログにかければと思います。

最後に、フリーランスをやっていると「10年後どうするの?」とよく聞かれたりしますが、最近そんな先のことはあまりこと細かに考えなくなってきています。

前職では同じ会社に7年間勤めていましたが、1年前に予想していたことが次の年にあっさり覆っている、という経験を何度も体験しました。同じ会社に所属していても数年先はわからないのだから、先が見えないという点では正社員もフリーランスも変わらないような気がしています。

それよりも1年先にどうなっていたいかを考え、それを実現するためにどう行動すればよいかを考え、ちょっとずつ目標に近づいていく、というのを毎年重ねていけば、そのうちなるようになるんじゃないかな、というのが最近よく考えることです。 10年後については、「最低限子供たちの学費は無理なく払えるくらい稼ぎたいなー」ぐらいなものです。

長々と書いてしまいましたが、とりあえず僕は今楽しくフリーランスの仕事をしています、ということが今回書きたかったことです。 世間では祝日がないと騒がれる6月も、僕は合計6日ほど平日にオフがありました。

またなにか変化があればこのブログに書きたいと思います。

再掲:Webサービスの多言語化はぜひ chooyan.engineer@gmail.com までご連絡ください!